外来でJOA膝スコア、患者さんに紙で渡して、合計を看護師さんに集計してもらって、カルテに転記して…。気がつくとPROs1つに5分かかっていませんか?
「iPadでサクッと終わらないかな」と思って、AIと一緒に作ってみました。
何ができるか
整形外科で使う 複数のPROs/スコアを集計するiPadアプリ です。
- 対応スコア:JOA膝・股関節・頸椎・腰椎、KOOS、JHEQ、Shoulder36、DASH、QuickDASH
- 完全オフライン動作:単一HTMLファイルをiPadのファイルアプリに置いて開くだけ
- カルテID入力:患者取り違え防止
- 両側評価対応:両膝/両肩を1セッションで
- 結果はQRコード化:カメラで読めば文字起こし不要でカルテに貼れる
- 設問単位の詳細PDF印刷:どこで失点したか一目でわかる
- 履歴自動保存:90日で自動削除、iPad内のみ
サーバー通信ゼロ、アカウントなし、診察室で患者さんが直接入力できる設計です。

私はコードを1行も書いていません
開発に使ったのは Claude Code(CLI型のAI)。
やったことは単純で:
- JOA各種・KOOS・JHEQ等の 公式PDFをAIに渡す
- 「このスコアをアプリに追加して」と日本語で頼む
- 動作確認 → 細かい指示で修正
コーディングは一切していません。整形外科医として「JHEQの両側評価ルールはこうだ」「Shoulder36は合計値を使わない仕様だ」と専門知識で監督する役だけ。
意外だったのは、AI側から 「DASHはInstitute for Work & Healthの著作権なので配布前に確認した方がいい」 と先に止められたこと。「KOOSは生値0=ベスト、Sh36は4=ベストで向きが逆だから表示を分けますね」と細かい配慮もしてくれます。
開発期間は実働 数日、AIとの対話で機能を1つずつ積み上げていきました。

諦めたスコアと著作権の話
- HHS(Harris Hip Score):思った以上に複雑で断念
- JOACMEQ・JOABPEQ:採点アルゴリズムが非線形で公式マニュアル必須、未取得
- Oxford Hip Score:著作権が厳しく踏み込めず
PROsのアプリ化で一番気になったのは 著作権。各スコアの設問・採点法は、それぞれ日本整形外科学会・KOOS group・JSSH・Institute for Work & Health等に帰属します。
本アプリでは:
- 起動時に 利用条件・引用元の同意モーダル を表示
- 「日本整形外科学会・日本手の外科学会等の有資格医療従事者に限る」と明記
- 印刷PDFのフッターにも著作権帰属を表示
- 設問文の改変は一切なし、診療研究目的限定
programming-surgeon.comさんが既に同様の取り組みをされていて、医療界の慣行として成立しています。

ダウンロード
iPad設置手順:
- ファイルアプリの任意の場所に保存
- ファイルをタップ → Safariで開く
- 共有ボタン → 「ホーム画面に追加」
- ホーム画面のアイコンから起動 → 利用条件に同意
これだけで、Safari UIなしの全画面アプリとして動きます。

🩺 同じことをやりたい医師の方へ
「自分の臨床を楽にするツール」を医師自身が作れる時代です。コツは3つ:
- 公式PDFを集める:これがそのまま仕様書になる
- AIに監督役として接する:医療判断は譲らない
- 著作権を最初に意識する:配布する場合は特に
1スコア追加にかかった時間は、私の体感で 10〜20分。改善案・バグ報告はDMでお気軽に。
【免責事項】
本ファイルおよび本記事は、整形外科系学会会員の有資格医療従事者 を対象としています。本アプリに含まれる各種PROsの設問・採点法の著作権は各学会・著者に帰属します。営利目的での使用は各権利者への許可申請が必要です。設問の改変・転載は禁じられています。本アプリの使用に関連して生じた一切の損害について、開発者およびブログ運営者は責任を負いません。臨床判断は使用者である医師の責任で行ってください。詳細はアプリ起動時の「利用条件・引用元」画面をご確認ください。
単一HTMLファイル / iPad のファイルアプリに保存して Safari で開いてください
⚠ iPad Safari ではダウンロード後、ファイルアプリ経由で開いてください

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