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【解説あり】2026年(令和8年)整形外科専門医試験 過去問解説(問61〜70)

2026年整形外科専門医試験 過去問解説 問61〜70:骨腫瘍・股関節・膝・足 専門医試験

はじめに

こんにちは!今回は、2026年(令和8年)第38回整形外科専門医試験の問61〜70の10問を解説していきます。

今回は骨腫瘍・股関節・膝・足が中心です。すきま時間にも取り組みやすいよう、10問ずつ確認していきましょう。

まずはテーマを見て答えを考え、「解答はこちらをクリック」を開いて答え合わせをしましょう。正答だけでなく、a〜eの選択肢をどう考えるかまで整理しています。

問題文・画像はお手元の問題冊子と併せてご確認ください。正答は2026年1月16日実施の正答一覧に照合しています。制度・保険の設問は試験時点の扱いです。

※試験対策を目的とした学習用の解説です。実際の診療や算定では、最新のガイドライン・添付文書・通知をご確認ください。

問61〜70:骨腫瘍・股関節・膝・足

問61:脊索腫

テーマ:仙骨の腫瘍を見たら、発生母地と年齢も確認。一般的な骨形成性腫瘍とは異なります。

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正答:a、e

  • a(正):仙尾骨や頭蓋底など、脊索の走行に沿った部位に好発します。
  • b(誤):脊索遺残由来の腫瘍です。骨肉腫のような骨形成性腫瘍には分類しません。
  • c(誤):主に成人に生じ、10歳以下が好発年齢ではありません。
  • d(誤):通常の細胞障害性化学療法は効果が限られます。切除や高精度放射線治療などで局所制御を図ります。
  • e(正):胎生期の脊索遺残から発生することが重要な特徴です。

参考:NCI:脊索腫

問62:大腿骨頭すべり症の基本

テーマ:問35の復習にもなる問題です。すべる方向、Drehmann徴候、固定の目的を押さえます。

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正答:b

  • a(誤):両側例には注意しますが、国内で70〜80%という頻度は適切ではありません。対側股関節も評価します。
  • b(正):骨端核は骨幹端に対して後方へ転位します。典型例では内方成分も伴います。
  • c(誤):他動屈曲に伴う強制外旋がDrehmann徴候です。内旋ではありません。
  • d(誤):まず徒手整復を試みるという対応は不適切です。血流障害を避け、病型に応じた治療を行います。
  • e(誤):骨端線閉鎖前の安易な抜釘は再すべりの原因になります。すべり進行を防ぐための固定です。

参考:POSNA:大腿骨頭すべり症

問63:特発性大腿骨頭壊死症

テーマ:壊死域そのものと、圧潰による病期進行を分けて考えます。

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正答:a、c

  • a(正):喫煙はリスクファクターの一つです。ステロイド使用歴と飲酒歴も確認します。
  • b(誤):病期進行は主に圧潰や二次性関節症の進行です。壊死域が病期とともに広がり続ける、という説明ではありません。
  • c(正):T1強調像の特徴的な帯状低信号域は診断に有用です。位置や形状を含めて判断します。
  • d(誤):Stage 4は関節症変化を伴うため、一般に人工股関節全置換術を検討します。臼蓋を置換しない人工骨頭とは区別します。
  • e(誤):アルコール関連例も特発性大腿骨頭壊死症に含まれ得ます。助成は診断基準・重症度などで判断されます。

参考:難病情報センター:特発性大腿骨頭壊死症

問64:股関節の診察手技

テーマ:拘縮、疼痛誘発、筋力不全を分けると、テスト名が整理しやすくなります。

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正答:b、d、e

  • a(誤):外転拘縮では骨盤の傾きにより見かけ上長くなります。内転拘縮による見かけの短縮と対比します。
  • b(正):Patrick(FABER)テストは疼痛誘発に用います。痛みが鼠径部か仙腸関節周囲かも確認します。
  • c(誤):Trendelenburg徴候で問題となるのは主に外転筋機能です。内転筋ではありません。
  • d(正):Thomasテストは腰椎前弯を除いて股関節屈曲拘縮をみます。
  • e(正):上前腸骨棘から内果までの距離は、下肢長評価に使うSMDです。骨盤の位置を揃えて測ります。

問65:変形性股関節症と全身のつながり

テーマ:股関節だけでなく、脊椎や足部への影響も考える問題です。疫学的な関連を断定しすぎないことが大切です。

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正答:b、e

  • a(誤):遺伝的素因は発症に関与します。「影響はない」とするのは誤りです。
  • b(正):股関節症は下肢アライメントや荷重の変化を通じ、足部変形とも関連します。
  • c(誤):脊椎の可動性低下や骨盤運動の変化は、股関節への負荷と関連します。
  • d(誤):糖尿病を股関節症発症の確立した独立リスクとする選択肢は、本試験では採用されていません。関節や研究条件によって報告が異なります。
  • e(正):重量物を扱う職業など、長期に大きな負荷がかかる作業は発症リスクと関連します。

問66:内側型変形性膝関節症

テーマ:内側荷重を減らすために、足底のどちらを高くするかを考えましょう。

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正答:d(誤っているもの・該当しないものを選択)

  • a(正):肥満は膝への負荷を増やす重要なリスクファクターです。
  • b(正):国内では内側型が多くみられます。
  • c(正):内側半月板の逸脱を合併し、荷重分散機能が低下している例が多くあります。
  • d(誤):従来の外側楔状足底板は外側を高くします。「内側が高い」が誤りです。ただし、外側楔状足底板の効果には個人差があり全例に推奨する意味ではありません。
  • e(正):高齢女性ではX線上の有病率が高く、本問は約80%という推定を正しいとします。症状を伴う割合と同一ではありません。

問67:膝蓋大腿関節症の治療

テーマ:脛骨大腿関節症や膝蓋骨脱臼との違いに注目です。障害されている関節に合った治療を選びます。

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正答:a、b、c

  • a(正):関節内注射は症状緩和の選択肢です。薬剤や適応は患者の状態で判断します。
  • b(正):大腿四頭筋訓練などの運動療法は保存治療の基本です。
  • c(正):適応を選んで脛骨粗面前進術を行い、膝蓋大腿関節の負荷軽減を図ります。
  • d(誤):通常の単顆置換術は内側or外側の脛骨大腿関節の変性を対象とします。孤立した膝蓋大腿関節症の治療とは異なります。
  • e(誤):MPFL再建術は主に膝蓋骨不安定性への手術です。関節症だけを理由に選ぶものではありません。

問68:膝関節の軟骨下骨脆弱性骨折

テーマ:以前「特発性骨壊死(SONK)」と呼ばれた病変の多くを、SIFK(subchondral insufficiency fracture of the knee; 膝軟骨下脆弱性骨折)の視点で捉える問題です。

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正答:e(誤っているもの・該当しないものを選択)

  • a(正):中高年女性に多くみられます。
  • b(正):大腿骨内側顆が代表的な好発部位です。
  • c(正):軟骨下骨の脆弱性骨折が主要な病態と考えられています。
  • d(正):通常の慢性OAに比べ、急な強い疼痛で発症することが特徴です。
  • e(誤):半月板後根断裂などによるhoop機能の急な喪失と局所負荷増大が重要です。単に「徐々に低下する」過程だけでは説明できません。

問69:有痛性外脛骨

テーマ:名前に「脛骨」があっても、場所は舟状骨の内側です。腱の停止部と痛む年齢を確認します。

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正答:a、d

  • a(正):後脛骨筋腱の停止部と関係する副骨です。
  • b(誤):存在頻度は集団によりますが、約1%とするのは低すぎます。無症状の人にもみられます。
  • c(誤):前下脛腓靱帯は脛腓骨間の靱帯で、外脛骨に付くものではありません。
  • d(正):有痛性外脛骨は10〜15歳頃に症状が出やすく、運動や靴の圧迫が誘因となります。
  • e(誤):問題となるのは外脛骨と舟状骨の間です。脛骨との間ではありません。

問70:先天性内反足の治療

テーマ:矯正して終わりではなく、矯正後の装具で再発を防ぐところまでが治療です。

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正答:a、b、e

  • a(正):尖足、内反、内転、凹足の要素を伴う変形です。
  • b(正):Ponseti法による段階的なギプス矯正が標準的治療です。
  • c(誤):必要なアキレス腱切腱術などは乳児期にも行います。手術は学童期まで待つという原則ではありません。
  • d(誤):出生後早期から治療を開始します。3か月以降まで待つ理由はありません。
  • e(正):矯正後にはDenis Browne型などの足部外転装具を用い、再発を防ぎます。装着継続の支援が重要です。

参考:AAOS:先天性内反足

まとめ

骨腫瘍の特徴に加え、股関節・膝・足の診察と治療を整理しました。診察手技の目的や、障害されている関節と治療の関係を、自分の言葉で説明してみましょう。

正解できた問題も、選ばなかった選択肢の理由を一言で説明できるか確認すると、知識の抜けが見つかります。

とはいっても、一度間違えた問題は次解き直しても間違うことは多いです。気負わず、すきま時間に10問ずつ、繰り返し使っていただければうれしいです。

出典・確認資料

正答の出典:日本整形外科学会「第38回整形外科専門医試験筆答試験問題・正答一覧」(2026年1月16日実施、日本整形外科学会会告2026年4月No.9)。解説は問題冊子の各選択肢に対応した学習用の補足です。

整形外科専門医試験 過去問解説シリーズ

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