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【解説あり】2026年(令和8年)整形外科専門医試験 過去問解説(問41〜50)

2026年整形外科専門医試験 過去問解説 問41〜50:骨軟部腫瘍・神経筋疾患・肩肘 専門医試験

はじめに

こんにちは!今回は、2026年(令和8年)第38回整形外科専門医試験の問41〜50の10問を解説していきます。

今回は骨軟部腫瘍・神経筋疾患・肩肘が中心です。すきま時間にも取り組みやすいよう、10問ずつ確認していきましょう。

まずはテーマを見て答えを考え、「解答はこちらをクリック」を開いて答え合わせをしましょう。正答だけでなく、a〜eの選択肢をどう考えるかまで整理しています。

問題文・画像はお手元の問題冊子と併せてご確認ください。正答は2026年1月16日実施の正答一覧に照合しています。制度・保険の設問は試験時点の扱いです。

※試験対策を目的とした学習用の解説です。実際の診療や算定では、最新のガイドライン・添付文書・通知をご確認ください。

問41〜50:骨軟部腫瘍・神経筋疾患・肩肘

問41:軟部腫瘍で悪性を疑う所見

テーマ:腫瘍は大きさだけで判断しないことがポイント。硬さ、炎症を思わせる所見、筋膜との位置関係を組み合わせます。

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正答:a、b、d

  • a(正):弾性硬という硬さは悪性を考慮する所見の一つです。ただし、触診だけでは良悪性を確定できません。
  • b(正):圧痛・熱感は注意すべき所見です。感染や炎症でも生じるため、画像を含めて評価します。
  • c(誤):3 cmだから悪性とは判断しません。一方、5 cm未満でも悪性腫瘍はあり、小さいことは除外根拠になりません。
  • d(正):筋内にある深部腫瘍は悪性を考慮します。安易な摘出を避け、画像評価と適切な生検計画につなげます。
  • e(誤):可動性良好は、この選択肢の中では悪性を積極的に疑う所見ではありません。良性の保証にはならない点は同じです。

問42:骨転移による病的骨折とPS改善

テーマ:乳がん治療を進めるためにも、まず骨折による痛みと歩行困難をどう改善するかが問われています。

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正答:a

  • a(正):本症例の大腿骨近位部病的骨折では、骨接合による支持性の回復を優先します。予後や骨欠損に応じた再建法の選択も必要です。
  • b(誤):照射は骨転移痛の緩和に有効ですが、完成した骨折の機械的不安定性を直ちには解消できません。
  • c(誤):激痛で歩行困難となった荷重骨の骨折を、経過観察だけで扱うことは適切ではありません。
  • d(誤):原病治療は重要ですが、本問はまずPSを改善する対応を問うています。骨折の安定化と並行して全身治療を計画します。
  • e(誤):骨転移がある患者へのPTH製剤投与は適切ではありません。骨粗鬆症の骨折と同じ発想で処方しないことが大切です。

問43:Duchenne型筋ジストロフィー

テーマ:遺伝形式と筋力低下の分布をセットで整理しましょう。立ち上がり方の観察も診断の手掛かりです。

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正答:e(誤っているもの・該当しないものを選択)

  • a(正):登攀性起立(Gowers徴候)がみられます。近位筋の弱さを、手で大腿を押しながら補う動作です。
  • b(正):幼児期までに歩行・走行の異常などで気付かれることが多い疾患です。
  • c(正):X連鎖潜性遺伝で、主に男児に発症します。
  • d(正):ジストロフィンの欠損・著明な減少が本態です。部分的に保たれるBecker型と対比します。
  • e(誤):典型的には骨盤帯など近位筋から弱くなります。「遠位から近位へ」という進行ではありません。

問44:脊髄前角の障害

テーマ:運動ニューロン、末梢神経、大脳基底核のどこに病変があるかを区別する問題です。

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正答:b、d、e

  • a(誤):Parkinson病の中心は黒質ドパミン神経系の障害です。脊髄前角を主病変とする疾患ではありません。
  • b(正):ALSでは上位運動ニューロンと、脊髄前角細胞などの下位運動ニューロンが障害されます。
  • c(誤):Guillain-Barré症候群は末梢神経・神経根の障害です。前角細胞障害とは区別します。
  • d(正):ポリオは脊髄前角細胞を障害し、弛緩性麻痺を生じます。
  • e(正):脊髄性進行性筋萎縮症は、前角細胞を含む下位運動ニューロンの障害として整理します。

問45:がん患者の膝痛と運動機能

テーマ:がんが見つかっても運動器の治療を諦めないことが大切。疼痛、活動性、栄養状態をまとめて考えます。

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正答:c、e(誤っているもの・該当しないものを選択)

  • a(正):緩和医療は終末期だけのものではありません。がん治療と並行して苦痛を軽減する支援が適切です。
  • b(正):全身状態に応じた運動療法は、廃用予防と活動性の維持に役立ちます。
  • c(誤):鎮痛薬を理由なく中止すれば、疼痛と不動が悪化します。副作用や原病治療との兼ね合いを見て調整します。
  • d(正):膝痛が主な活動制限要因なら、人工膝関節置換術も検討できます。食道がん治療との順序や周術期リスクを多職種で判断します。
  • e(誤):食物通過障害のある患者に、肥満予防を理由とした食事制限は不適切です。低栄養の評価と栄養支援を優先します。

問46:介護保険の第2号被保険者

テーマ:40〜64歳では、要介護状態の原因が定められた特定疾病に該当する必要があります。病名の細かな条件に注目です。

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正答:b、c

  • a(誤):脊髄損傷そのものは16特定疾病に含まれません。障害福祉制度など別の支援も検討します。
  • b(正):関節リウマチは特定疾病の一つです。
  • c(正):後縦靱帯骨化症も特定疾病に含まれます。
  • d(誤):両側橈骨遠位端骨折という記載だけでは該当しません。「骨折を伴う骨粗鬆症」という特定疾病とは区別します。
  • e(誤):対象の変形性関節症は「両側の膝関節又は股関節に著しい変形」を伴うものです。片側のみという本選択肢は該当しません。

参考:厚生労働省:特定疾病の選定基準

問47:上腕二頭筋長頭腱断裂

テーマ:問題写真の筋腹の膨隆はPopeye変形。近位の長頭腱断裂と、肘での遠位腱断裂を混同しないことがポイントです。

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正答:e

  • a(誤):筋皮神経麻痺がこの変形の原因ではありません。腱断裂による筋腹の移動です。
  • b(誤):収縮に伴う筋腹の膨隆であり、硬く固定された腫瘤とは異なります。
  • c(誤):短頭腱が保たれるため、肘屈曲筋力が一律に約50%低下するとはいえません。
  • d(誤):手術が必要な場合は腱固定術などを検討します。変性した長頭腱の断端同士を単純縫合するのが標準ではありません。
  • e(正):急性期の痛みは数週間で軽快することが多く、選択肢の約3週間は妥当です。残る疼痛や筋けいれんは個別に評価します。

参考:AAOS:肩での上腕二頭筋腱断裂

問48:肩を挙げるときの骨格運動

テーマ:肩甲上腕関節だけで180度挙がるわけではありません。肩甲骨と鎖骨の動きを一緒に思い浮かべましょう。

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正答:b、d、e

  • a(誤):挙上時の肩甲骨は一般に後傾します。「20度前傾」という方向が誤りです。
  • b(正):鎖骨の後方回旋は肩挙上を支える運動です。本問では約30度を選びます。
  • c(誤):肩甲骨は上方回旋します。下方回旋では十分な挙上につながりません。
  • d(正):肩甲胸郭運動による約60度の上方回旋が、古典的な肩甲上腕リズムの目安です。
  • e(正):肩甲上腕関節で約120度、肩甲胸郭で約60度という整理です。実際の比率は挙上角度や個人で変動します。

問49:外側顆偽関節を伴う外反肘

テーマ:偽関節を癒合させる手術と、変形・尺骨神経麻痺への手術を分けて考える問題です。

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正答:b

  • a(誤):骨端線閉鎖自体が手術適応を決める条件ではありません。疼痛や動揺性、関節状態が重要です。
  • b(正):高度な外反動揺性は、偽関節部の安定化を考える重要な適応条件です。
  • c(誤):65歳以上という年齢だけで偽関節手術の適応にはなりません。
  • d(誤):変形性関節症があるというだけで偽関節部の骨接合を選ぶわけではありません。術後可動域も考慮します。
  • e(誤):遅発性尺骨神経麻痺には神経の除圧・移行などを検討しますが、麻痺の存在だけで偽関節手術の適応とはなりません。

参考:慶應義塾大学病院:上腕骨外顆骨折後偽関節

問50:肘のCharcot関節

テーマ:画像上の破壊の大きさと痛みの乏しさのギャップが手掛かりです。背景にある神経疾患も確認します。

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正答:a

  • a(正):保護感覚の障害を背景に、骨破壊、骨片形成、関節変形が生じます。
  • b(誤):破壊の程度に比べ疼痛は乏しいことが典型です。激しい痛みが必須ではありません。
  • c(誤):関節水腫や腫脹を伴うため、「関節水腫は合併しない」が誤りです。
  • d(誤):関節破壊に伴い、強い動揺性や不安定性を生じ得ます。「動揺性は軽度」とする記載は誤りです。
  • e(誤):深部感覚・位置覚の障害が病態に関与します。「正常」とするのは不適切です。

まとめ:間違えた選択肢を「正しい文章」に直す

腫瘍では年齢・部位・画像所見、神経筋疾患では障害部位、肩肘では解剖と運動を結び付けて復習しましょう。介護保険は対象年齢と特定疾病の条件も確認しておくと整理しやすくなります。

正解できた問題も、選ばなかった選択肢の理由を一言で説明できるか確認すると、知識の抜けが見つかります。すきま時間に10問ずつ、繰り返し使っていただければうれしいです。

出典・確認資料

正答の出典:日本整形外科学会「第38回整形外科専門医試験筆答試験問題・正答一覧」(2026年1月16日実施、日本整形外科学会会告2026年4月No.9)。解説は問題冊子の各選択肢に対応した学習用の補足です。

整形外科専門医試験 過去問解説シリーズ

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